カスパーゼはアポトーシスに深く関わっている酵素です。
タンパク質を分解する働きがあるので、細胞のタンパク質を分解して最終的には細胞を殺します。
カスパーゼは何種類もあるのですが、カスパーゼ14はアポトーシスに関係しない特殊なカスパーゼとして知られています。
アポトーシスとは?
プログラム細胞死の事で、細胞の自殺と言われています。
紫外線や放射能等でDNAに損傷を受けた細胞は癌化しますが、癌化した細胞が増殖して体に悪影響を及ぼさない為の免疫機能として備わっている機能です。
カスパーゼ14の働き
フィラグリンというタンパク質があります。
フィラグリンは肌の表皮で作られるタンパク質ですが、これが分解される事によって肌のバリア機能を担う成分に変わっていきます。
ちなみに、アトピー性皮膚炎の方の30%はこのフィラグリンの遺伝子異常があるそうです。
さらにアトピー性皮膚炎の方のほぼ全員が、通常よりも少ないフィラグリンしか持っていないそうです。
最近ではアトピー性皮膚炎の治療に向けて、このフィラグリンの発現を高める研究が進んでいます。
化粧品などでもこのフィラグリンを配合したものがあるようですね。
そして、このフィラグリンを分解するのがカスパーゼ14の働きです。
フィラグリンは分解されなければ、ただのタンパク質で保湿には関係しません。
フィラグリンの分解が進んでいくと、最終的に天然保湿因子になって肌を守ってくれます。
ちなみにアトピーの方はカスパーゼ14も少ないそうです。
そんなカスパーゼ14ですが、寒暖差の刺激で減少するそうです。
季節の変わり目に肌が荒れるという方は多いと思いますが、原因の一つはこのカスパーゼ14の減少だったんですね。
カスパーゼ14を増やすには?
どうやらスフィンゴイド塩基が良いようです。
ただし、まだ科学的には証明出来ていません。
ドンドン聞いた事の無い単語が出てきますが、スフィンゴイド塩基というのはスフィンゴ脂質を形成している成分です。
有名なセラミドもスフィンゴ脂質の一種です。
スフィンゴ脂質を食べ物として接種してもほとんど吸収されないし、ましてや肌に作用する可能性はほぼ無い。
と言われていたのですが
マウスを使った実験では、明らかに肌のバリア機能の向上が見られたそうです。
あとは木苺果実抽出液もカスパーゼ14の産生を促進するという話が3日前のニュースになっていました。
こちらも科学的な根拠はまったく分かりませんが、大手化粧品会社の報告なので、確かな根拠があるのではないかと思われます。
まとめ
今まで季節の変わり目の肌の不調は
寒暖差による免疫機能の低下だったり、乾燥によるバリア機能の低下と言われていました。
個人的には、新たな原因が見つかったというだけで嬉しい気がします。
原因が分かれば対処の仕方を考えられますもんね。
炎症を起こしてしまった後では、それに対処する事しか出来ません。
そもそもの原因を突き止めて改善して、今日も我が家の娘には健やかに眠って欲しいと思います。
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